- かえる
- I
かえる【変える】〔「かえる(替)」と同源〕(1)形・色・性質・内容などをそれまでとは違う状態にする。 変化させる。 変更する。
「髪形を~・える」「顔色を~・える」「急に態度を~・える」「予定を~・える」「交流を直流に~・える装置」
(2)居場所や, ある動作をする場所を別の所に移す。「住所を転々と~・える」「ソファーの位置を~・える」
︱慣用︱ 血相を~・攻守所を~・目の色を~・目先を~/手を変え品を変えIIかえる【帰る・還る】〔「かえる(返)」と同源〕(1)初めにいた所, またはもといた場所にもどる。「五時には~・ってくる」「故国に~・る」
(2)やって来た人がそこを立ち去る。「客が~・る」
‖可能‖ かえれる帰りなんいざ〔陶淵明「帰去来辞」〕職を辞して, さあ故郷へ帰ろう。→ 帰去来IIIかえる【替える・換える・代える】それまであった物をどけて, 別の物をその位置・地位に置く。(1)同種・同等の別のものと交替させる。 《替》「商売を~・える」「水槽の水を~・える」「毎日シーツを~・える」(2)ある物を与えて別の物を得る。 《換》「宝石を金(カネ)に~・える」(3)あるものを活用・採用せず, その役目を他のものにさせる。 代用する。 《代》「挙手をもって投票に~・える」(4)飲食物のお代わりをする。「ご飯を三膳も~・えた」
〔「かわる」に対する他動詞〕︱慣用︱ 命に~/背(セ)に腹はかえられぬIVかえる【蛙・蝦】無尾目の両生類の総称。 尾はなく, 発達した後ろ足とやや小さい前足とをもち, 後ろ足に五本, 前足に四本の指がある。 普通, 後ろ足には水かきがある。 小昆虫やクモなどを食べる。 水辺にすむものが多いが, 草むらや樹上にすむ種類もある。 幼時はオタマジャクシと呼ばれ, 水中にすむが, 二~三週間で変態し, 四肢が生え, 尾が消失して陸上にあがる。 食用になる種もある。 トノサマガエル・ヒキガエル・アマガエル・ウシガエルなど種類が多い。 かわず。 ﹝季﹞春。 「~の合唱」《痩(ヤセ)~まけるな一茶これにあり/一茶》~の子は蛙子供はたいてい親に似るものだ。 また, 凡人の子はやはり凡人になる, の意とも。~の面(ツラ)に水〔蛙の面に水をかけても平気でいることから〕どんな仕打ちをされても, 全く平気でいること。 しゃあしゃあとしているさま。 蛙の面に小便。~の頬冠(ホオカム)り〔蛙の目は背後にあるので, 頬冠りをすると前方が見えないことから〕目先の利かないこと。~の目借(メカ)り時(ドキ)春, 蛙がさかんに鳴く頃の眠くてたまらない時期。〔蛙が雌を求める意の「妻(メ)狩る」から転じたとも, 「蛙に目を借りられ」て眠いからともいう〕~は口ゆえ蛇(ヘビ)に呑(ノ)まるる〔蛙は鳴くので蛇に居所が知れて呑まれる意から〕余計な口をきいて身を滅ぼすことのたとえ。 蛙は口から呑まるる。Vかえる【返る・反る】(1)物が本来の持ち主に戻る。 《返》「貸した金が~・る」「財布が落とし主に~・る」(2)もとの状態に戻る。 《返》「童心に~・る」「正気に~・る」「我に~・る」(3)向きが逆になる。 《返・反》(ア)物にぶつかったりして逆の方向に向かって動く。「こだまが~・る」「答えが即座に~・ってくる」(イ)裏と表, 上と下などが入れかわる。 「葉が裏に~・る」
(4)(動詞の連用形の下に付いて)すっかりその状態になる。 全く…する。「しょげ~・る」「あきれ~・る」「静まり~・る」「煮えくり~・る」
(5)年が改まる。 《返》「年が~・る」「年~・りて三月十余日になるまで/更級」(6)色が変わる。 変色する。「薄色の, 裏いと濃くて上は少し~・りたる/枕草子 36」
(7)何度も同じことをする。 盛んに…する。「我が衣手に秋風の吹き~・らば/万葉2092」
〔「かえす」に対する自動詞〕‖可能‖ かえれる
Japanese explanatory dictionaries. 2013.